プントのエンジンオイルを替えた

つづき。前のエントリ

ジャッキアップポイントを探す
秋晴れの涼しい日曜日に作業日を設定しました。
ジャッキアップするにあたって、ジャッキポイントの確認が必要です。プントの説明書には非常にわかりにくい図でジャッキポイントが示されています。
プントmk2.a フロントのジャッキポイント説明図(OWNER HANDBOOK)

わかんねーよ!!
ちなみに右の図はサイドからのリフトの図です。タイヤ交換などにはこれでいいんでしょうけどね。
ジャッキポイントを間違えると良くない部分が曲がってしまったりするそうなので、慎重にならなくてはいけません。先人のブログなんかを検索しても、みなさん結構困っているようです。ご存知の方は特に困っていないようで、詳細な記述がありません。

一方Haynesマニュアルの表記はとてもわかりやすくて歓喜したのですが、いざ車の下を覗いてみると全く構造が違って愕然としました。どこにもこんな場所はありません。これはおそらくマニュアル車か欧州で設定されている8V SOHC車の図なんでしょう。
プントmk2.a フロントのジャッキポイント説明図(HAYNES MANUAL)

図の下にはこう書いてあります。
When using a hydraulic jack to raise the front of the vehicle, position the jack head under the transmission differential housing, using an interposed block of wood.
まずトランスミッションディファレンシャルハウジングというのがどこなのか、わかりません。MT車だか8V車なら上の図なんでしょうね。残念なことに説明書やHaynesマニュアルをひっくりかえしても、ハウジングの記載がありません。でもCVTフルードのドレインプラグ(Automatic transmission fluid drain plug;Component locations 1-5)の場所は載っていたので、そのあたりとあたりをつけました。
punto elx/hlx フロントジャッキポイントそのへんをじーーーっと見ると、なんだか不自然にぴょこんと乳首のように飛び出ている部分があります。たぶん、これでしょう。

ジャッキアップできない
さて、ようやくジャッキポイントがわかり、ジャッキアップしたいところなんですが、車の下にジャッキが入りません。別に車高調を入れてたりローダウンしてたりしてるわけじゃないんですが、見事に数センチ分足りません。
こんなこともあろうかと!というか最初からこれは分かっていたので、ホームセンターで買ってきた一山いくらの木材の切れ端で乗り上げるためのスロープを木工用ボンドで自作していました。

自作スロープこれ。

乗り上げて、サイドブレーキを引き、いちおう後輪に輪留めをかけます。
ジャッキヘッドには木片を潜っているときに滑ったら洒落になりませんので、ジャッキヘッドには買ってきた木片をかけます。これ、絶対かけたほうがいいです。一回で使い物にならなくなりますが、メキメキッ!とめり込んでがっしり噛んでくれます。すごい安心感。買っておいて良かったアイテムNo.1です。かまぼこの台でも良いと思います。

いざ、ジャッキアップ
さて、それではいざジャッキアップ!・・・と思ったら、まだ足りない!!
入るんだけど、油圧ジャッキをジャッキジャッキするためのクリアランスがない!ピンチ。
ほんの少しの隙間を利用して少しずつ上げて・・・ようやく上がってきました。
今回アスファルトの上で上げています。このアスファルトは駐車場のものですが非常に粗いもので、後輪接地とは言え車重1トンの荷重がかかるわけですから、安物フロアジャッキのタイヤはがっちりアスファルトに噛み込んでしまいます。本来ジャッキアップするにつれてフロアジャッキの本体は場所をずらしていかなくてはいけないのですが、アスファルトの上ではそれができません。そのため床材としてプラダンプレートというものを買っています。ホームセンターで売っている薄いプラスチック製の段ボールみたいなもので、91cm×91cm×4mmの大きさで300円という格安の素材です。これを下に敷いているおかげで、ジャッキを上げるとするするとジャッキ本体も位置をずらしていってくれます。ダンプレートも潰れてしまいますが、期待通りの働きをしてくれました。(写真で漏れているように見えるのは暖気で結露した空気中の水分です)
これがなかったらどうなるか実験してみたのですが、フロアジャッキは全く動かずそのうちジャッキの片側の車輪が浮いてきました。そのままやっていったら当然転倒します。大変危険です。

ウマをかける
ウマをかけるジャッキアップしたら安全のためサイドのジャッキポイント左右にウマをかけます。ジャッキスタンドと呼ばれるもので、3t用しか売ってなかったのでそれを買ってきました。
場所は説明書にありますが、サイドシルにある印の奥にある金属のフレーム部分です。これをかけておくことで下に潜ってるときにジャッキスタンドが外れたりして潰れることを防いでくれます。体全体を入れたりする作業ではありませんが、やっぱ怖いので。ちなみにこのジャッキスタンドも段階的に高さを設定できるのですが、フロントジャッキポイントが進行方向左に偏っているせいで左右でかけられる高さが違います。おもいっきりフロアジャッキを上げても右側は一番下でぎりぎりかかる程度でした。次やるときは、もうちょっといいフロアジャッキが欲しいかな・・・

やっとオイルを抜く
ここまできたら、オイルが抜けます。エンジンが冷えているときは20秒ほど暖気します。もう少しやってもいいかも。ただし、エンジンの熱くなっている部分には手を触れないよう気をつけます。
また、手がオイルまみれになるので耐油グローブを装備します。
ドレンプラグの下に廃油パックを置きます。
ドレンプラグは日本車の場合は六角ボルトらしいですが、Puntoは六角の穴がネジそのものに穿ってある、アレンスクリューと呼ばれるボルトです。必要なアーレンキー(アーレンチ、六角スパナとも)は12mmという大きなものなので、自転車整備用に揃えた工具にはそのサイズがなかったので買い足しました。このアレンスクリューをくるくる回し、外れそうになる前から圧迫し、オイルが漏れないようにしつつ、スクリューを一気に外します。アレンスクリューのよいところはパッキンが存在しないので考えなくてよいところ。
オイルと廃油受けだらーーーーーーーーー、と、真っ黒なオイルが垂れてきます。条件によってはガソリンに希釈されてシャバシャバだったりするらしいですが、粘性はかなりあります。随分放置したので、次はもう少し早く交換してやりたいところです。落ちきったあと、新しいオイルを200mlくらい入れて、残ったスラッジを追い落としました。

オイルエレメント(フィルター)の交換
フィルターエレメントあらかた落ちきったところで、フィルターを交換します。BOSCHにも0986 452 041という型番で対応フィルタがあるのですが、純正の方が安かったのでフィアット純正品で。フィルターエレメントにはアルファロメオのヘビさんマークがついています。これ・・・もしかしてCEマークなのかな?

古いオイルフィルターエレメントオイルフィルターの場所はエンジンルームを開けて下を見るとすぐ手前に見えるのですが、下からでないと外れません。また、普通フィルターレンチというものを使うのですが、場所が狭く通常のフィルターレンチでは入らないかもしれません。狭い場所でも入るレンチが必要なのだと思いますが、今回は手で外しました。Haynesマニュアルにはナイロンバンドで締めるタイプのフィルターレンチが載っていて、ちょっとそれが欲しいなと思ったのですが、ホームセンターには売ってませんでした。締め付けの際も手で締めるようにと注意書きがあるので、硬くてもちょっとがんばれば外れます。(ちなみにネジはフィルター側ではなくエンジン側なので、逆に回す点に注意して下さい。)
フィルターの中にもオイルが入っているので、オイル受けを下に持ってきておきます。
外したエンジン側にゴム製のシールリングが残っていないか確認し、ウェスやキッチンペーパーでエンジン側のスラッジもふき取ります。
フィルターを新しいものに付け替える際にはシール部分に新しいオイルを塗り、手で締めます。
その後、ドレンプラグも戻します。

新しいオイルを入れる
自作オイル計量器オイルの総量はフィルター交換時に2.8Lとなっています。(実際は完全には抜けないのでもう少し少ないみたいですが)オイルの計量はホームセンターや自動車整備用品店で専用品が売っていますが、今回は2Lペットボトルを切って、予め水をつかって計量ラインを引いておきました。節約節約。だいたいオイルの計量器なんか残っても置く場所ないですし。

エーモン工業 使い捨てジョウゴ漏斗にはこれを使います。紙製の使い捨てジョウゴ。ジョウゴとロウトの違いがよくわかりませんが、多分同じ。

入れる際はウマを外し、ジャッキを下ろします。僕の買ったフロアジャッキは安物で、気をつけないとけっこう勢いよく落ちるので注意が必要です。
自作スロープの上に降りてくれないと大変なこと(=ジャッキが抜けなくなって詰む)になるので、慎重に降ろします。
オイルは何回かに分けて定量より少し少なめに入れて、エンジンオイルのディップスティックで量を見ながら最後の量合わせをします。

チェック
その後、エンジンを数分かけたままにしながらオイル漏れがないかチェックします。
エンジンを切り、オイルがオイルパンに戻るのを待って、もう一度量をチェックし、必要なら継ぎ足します。

何が変わったか
初めてオイルを替えたので前回交換時と比較できないのですが、交換直前に較べると高回転時のスムーズさが違うように思います。またエンジン音は動粘度の高いオイルを選んだこともあるのか、気持ち静かになっています。交換前も問題を感じていたわけではないので、すごく変わった、というわけではありませんが、不安がないので気持ちいいのは確かです。次は1万キロ行く前に変えてあげないといけませんね。本当は10000km or 6monthsなので、実質5000kmくらいで替えるべきなんですが・・・